英国Tescoのフードロス削減に向けた取り組み

以前、イギリスの大手小売チェーンTescoのフードロスの現状についてお伝えしました。 

今回は、Tescoがフードロスの削減に向けて、実際にどのような取り組みをしているのかをご紹介します。

Tescoの活動目標

Tescoは自社の食品廃棄物を削減していく上で、下記の活動目標を定めています。

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①2017年末までに、イギリス内で安全に消費できる食品の廃棄をゼロにする
②2030年までに、自社の事業で発生する食品廃棄物を半減させる
③2030年までに、サプライチェーンにおける食品廃棄物を半減させるために、サプライヤーとパートナーシップ契約を結んで活動する
④2030年までに、小売業を行う市場における家庭の食品廃棄物を半減させる

上記の目標を達成するため、サプライチェーンの各領域において、フードロス削減に向けた様々な取り組みを行っています。

生産段階における取り組み

サプライヤーとのパートナーシップ契約

2017年9月、Tescoは、2030年までに食品廃棄物を半減させるために、SDGsを採用するサプライヤー24社とのパートナーシップ契約を発表しました。

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上記サプライヤーは、12ヶ月以内に自社の業務用の食品廃棄物に関するデータを発表し、削減に向けた取り組みに繋げていくそうです。

取り扱う作物の仕様拡大

Tescoは、取り扱う作物の仕様の拡大に努めています。2016年には、状態の悪い果物や野菜を発売しました。

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これにより、サプライヤーの作物をより多く使用し、店舗で販売できる生産量を最大限に高め、顧客に安価な食品を提供できるようになります。

高度な予測及び発注システムによる廃棄物管理

効率的に廃棄物を管理するために、高度な予測及び発注ができるシステムに投資し、柔軟な対応ができるよう取り組んでいます。

上記のように、サプライヤーとパートナーシップ契約を結んだため、この動きはより一層進みそうです。

流通・小売段階における取り組み

チャリティー団体への寄付

Tescoは、イギリスを中心に食料援助を行っているNGOFareshare」と提携し、店舗の余剰食品を寄付しています。

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Tescoの店舗で余剰食品が発生した際、FareShareのアプリに情報を流し、通知を受けた地元のチャリティー団体やコミュニティがピックアップしに行く仕組みのようです。

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マレーシアの2店舗でも同様の取り組みが行われています。こちらはマレーシアの食品廃棄物を削減しようとしている「Robin Food」と提携した活動です。

埋立処分ゼロ

2009年以来、Tescoは食品を埋立処分していません。チャリティー団体に寄付することのできないベーカリーの余剰食品は、家畜用の飼料として活用されています。また鶏の脂肪と食用油バイオディーゼル燃料に変換しているようです。

上記の選択肢をとることができない場合は、嫌気性消化あるいは焼却によりエネルギーを回収しています。

食品廃棄物に関するデータの公開

Tescoは、独立かつ保証された食品廃棄物に関するデータを公表しているイギリスの唯一の小売店です。

廃棄物データを詳細に分析することで、重要な領域を特定し、削減に向けた効率的な取り組みができます。またチャリティー団体など他者と協力することで、食品廃棄物の削減や余剰食品の分配が可能となりました。

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(引用:Reports, policies and disclosure - Little Helps Plan - Tesco PLC

消費段階における取り組み

プロモーションの削減

スーパーマーケットでは、販売を促進するために商品のプロモーションが頻繁に行われています。顧客にとってはより多くの商品を購入できる機会ですが、一方で、必要以上に購入するために食品廃棄物が発生しやすいという側面もあります。

こうした背景もあり、Tescoは「Buy One, One Free(1つ購入したら、もう1つはタダ)」というプロモーションを2014年4月に終了しました。その代わり、毎日低価格の商品を提供できるよう努めているようです。


顧客の要望に合わせた商品の改善

提供商品の改善も積極的に行っています。商品を購入した顧客の要望や状況を把握し、フードロスが削減しないよう改善をしているようです。

例えば、アボカドは冷凍した状態、皮を剥いた状態、半分の状態といった様々な用意されています。これにより、顧客は利用目的に応じて商品を選ぶことができ、結果的に浪費を防ぐことができます。

引用文献)

 

まとめ

  • 2030年までに自社だけでなく、Tescoを利用している家庭の食品廃棄物を半減するという野心的な目標を掲げている
  • サプライヤー、チャリティー団体、顧客など様々な関係者と協力し、あらゆる領域でフードロスの削減に努めている。自社のフードロスに関する情報公開がこうした信頼関係を生み、効果的なアプローチにも繋がっている。
  • チャリティー団体への寄付を積極的に行っており、アプリなどを活用した効率的なシステムを構築している。またイギリス国内だけでなく、アジアでも同様の取り組みを始めている。