米国のフードロス問題に挑むデータドリブン型非営利組織「ReFED」

ここ数年、日本でもフードロス問題に対する意識が高まっていますが、データなどを交えた本質的なアプローチはまだまだ少ないように感じます。欧米ではこうした観点での取り組みも進んでおり、個人的に特に気になっているのが「ReFED」という組織です。

「Rethink Food Waste Through Economics and Data(ReFED)」は、30以上のNPO、企業、財団、政府関係者からなる連合で、フードロス問題にデータを通じて取り組む新たなイニシアティブです。

そこで今回は、自分自身の勉強も兼ねて、このReFEDがどういう組織なのか、どういったデータを調査しているのか見ていきたいと思います。

ReFEDとは?

Rethink Food Waste Through Economics and Data(ReFED)は、米国のフードロスを削減することを目的に、30以上のNPO、企業、財団、政府関係者から構成された非営利組織です。

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フードロス問題に”データ”という観点からアプローチしており、課題解決に向けた本質的な取り組みをするようステークホルダーらに提案しています。

ReFEDの主な取り組み

ReFEDが具体的にどのようなこと取り組みをしているか、まずは下記の動画を観ていただけるとわかりやすいかと思います。

米国は年間6,300万トンもの食料を廃棄しており、その経済損失は2,180億ドルにも及びます。日本と同様、生産から加工、流通、小売、消費といったサプライチェーンの様々な領域でフードロスが発生しているため、それぞれの領域の関係者が改善に向けた取り組みをしていくことが必要です。

そこで、ReFEDは米国のフードロスに関するデータを収集・分析し、各ステークホルダーごとに最適なアプローチを提示しています。対象は、消費者、起業家、農家、連邦政府・州政府、財団、投資家、食品製造業者、NPO・教育機関、飲食店、食料品店、地方自治体と様々です。

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ReFEDはこうした取り組みの目標として、「2030年までに米国のフードロスを50%削減する」ことを掲げています。2016年には、経済的な分析に基づき、目標達成に向け具体的なソリューションを提案したロードマップ「Roadmap to Reduce U.S. Food Waste」を発表しました。

その他、下記のような取り組みを行っています。

  • 商品ラベルの標準化の促進
  • 食品廃棄物の削減に関するイノベーション(革新的な取り組み)の情報収集・分析
  • 州及び連邦の食品廃棄に関する政策の集中化

こうした活動は、複数の組織が1つの目標に向かって取り組んでいく上で非常に効果的だと思うので、どのような成果が出るか楽しみです。

ReFEDによるフードロスを”見える化”したWebサイト

ReFEDは、収集・分析したデータを運営しているWebサイトで公開しています。とても見やすく、わかりやすいので、フードロスを”見える化”する上で非常に参考になります。

米国のフードロスの現状及び影響度

まずトップページに表示されているのが、米国のフードロスの現状とその影響度です。下記は、食品廃棄することでどれだけ資源を消費しているかを表しています。

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また、米国で廃棄されている年間6,300万トンの食品が、どの領域でどれだけ廃棄しているかを視覚化しています。米国では、飲食店や食料品店など消費者向けの事業者と家庭が全体の約80%を占めているそうです。

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こちらは、各領域で排出している廃棄物を経済損失に換算したグラフです。

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このように各データを視覚化することで、直感的に状況を把握することができます。

フードロスの削減に向けた効果的なアプローチと影響度

上記のフードロスの現状を踏まえ、フードロスの削減に向けた効果的なアプローチも提示しています。経済的メリットや資源の消費量など、それぞれのパラメーターごとにアプローチの有効度合いを確認することが可能です。

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例えば、経済的メリットの観点では、消費者に対してフードロスの削減を促すキャンペーンや商品ラベルの標準化、最適なパッケージングなどが効果的であるそうです。

上記で述べたように、各ステークホルダーごとにアプローチを確認することもできます。 

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「自分たちには何が出来るだろう?」と思い立った時、これらの情報を見ることですぐにアクションに移せるところが良いですね。

州及び連邦の食品廃棄に関する政策のデータベース

州及び連邦の食品廃棄に関する政策の情報もまとめています。こちらは事業者等が比較的規模の大きい取り組みをする際に、素早く行動に移せるよう支援している形になります。

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このようにフードロスに関する情報を”見える化”することで、様々な人々や組織がフードロス問題について知り、動機を持ち、行動に移す機会を提供することができます。今後、日本でも同様の取り組みをしていくべきではないでしょうか。

他にも様々な情報が載っていますので、ぜひ閲覧してみてください。

引用情報)

 

まとめ

  • ReFEDは米国のフードロスに関するデータを収集・分析し、各ステークホルダーごとに最適なアプローチを提示している
  • ReFEDは「2030年までに米国のフードロスを50%削減する」という目標を掲げており、2016年には、目標達成に向け具体的なソリューションを提案したロードマップ「Roadmap to Reduce U.S. Food Waste」を発表している
  • ReFEDは収集・分析したデータを自社のWebサイトで公開しており、様々な人や組織がフードロス問題について知り、行動に移す機会を提供している