今週のニュース - 国内で初めて食品卸業者がフードバンクを設立!

フードロスに関する今週の主なニュースをご紹介します。

新時代における宴会マナー。客と飲食店それぞれに絶対やってもらいたい2つのこと

グルメジャーナリストである東龍さんが、今の時代だからこそ客と飲食店にやってもらいたい宴会マナーについて述べています。

”飲食店”は、フードロスの多い場所の1つです。特に宴会など大人数での食事が多いこの時期は、客の食べ残しや無断キャンセルなどにより大量のフードロスが発生します。

この事態を改善するために、筆者は客と飲食店、それぞれに対して以下のマナーを守ることを指摘しています。
客)

  • しっかりと食べる
  • 忘れずにキャンセルする

飲食店)

  • 予約を確認する
  • 料理を説明する


食事は食を通じたコミュニケーションの場ですが、最近は食材や料理に対する意識が希薄になりつつあり、その結果がフードロスに繋がっています。楽しむことは大事ですが、食に関する問題が増えている現代だからこそ、改めて上記のマナーを守ることが必要だと筆者は述べています。

Looking at food waste through the lens of climate change

米国の科学者が、自身でフードロス問題の分析・統計を行った結果を紹介しています。

筆者は、興味深い統計結果として以下を挙げています。

  • 米国におけるフードロスの推定総量は55.41 MMT/年であり、年間生産量の28.7%に相当する。これは1人当たりで180 kg/年に相当し、そのうち110 kg/年は消費者から発生している。
  • 米国では生産、加工、梱包、流通、小売、消費の各領域でフードロスが発生しており、温室効果ガス排出量に換算すると112.9 MMT CO2e/年となる。これは国の排出量の約2%に相当する。
  • 消費者のフードロスを金額に換算すると、典型的な米国の家族は年間1,600ドル損失していることになる。


このようにフードロス問題を数値的に捉えると、捨てる/捨てないという単純な問題ではなく、環境への悪影響や自分たちの金銭にも関わる問題だということがわかります。

「もったいない」から「おいしい」への架け橋を 全国初卸企業がフードバンクを発足

長崎県の食品卸業者である「協和商工株式会社」が「フードバンク協和」を設立しました。食品卸業者としては国内で初めての試みです。

去年、新聞で「日本の7人に1人の子供が貧困である」と記述されたこども食堂の記事を見て、自分たちに何かできることはないかと動き始めたのが設立の経緯だそうです。

同社は、ホテルや病院、学校給食といった業務用の食材のほか、年間6,000種類にも及ぶ食品サンプルを取り扱っており、毎年500万円くらいかけて捨てています。フードバンクはその対策の1つとなり、本業を最大限活かせる社会貢献にもなるそうです。

素晴らしいと思ったのは、初めから同業他社を巻き込み、全国に広げることを想定して動いているところです。やはり企業による取り組みはインパクトが大きいので、こうした動きが次々に出てくると良いなと思います!

「オステリア・フランチェスカーナ」マッシモ・ボットゥーラシェフに聞く フードロスに立ち向かう食堂「レフェットリオ」とは?

廃棄対象食品を素晴らしい料理に変えて、恵まれない人々に無償提供する食堂「レフェットリオ」を立ち上げたマッシモ・ボットゥーラシェフのインタビュー記事です。

マッシモ・ボットゥーラさんは、2016年「世界ベストレストラン50」で世界1位、ガストロノミーの頂点に立ったシェフです。彼は2015年のミラノ万博の際に、世界のトップシェフに協力を募り、上述のレフェットリオを立ち上げました。

ミラノ万博の後は、非営利活動「Food for Soul」を立ち上げて、リオデジャネイロ五輪でレフェットリオを開催するなど、世界中に広めようとしています。

他にも色々と興味深い内容ばかりですが、特に以下の言葉がとても刺さりました。

常に食の現場にいる料理人にとって、最も重要な”素材”は、文化、知識、意識、責任感だと考えます。「文化」を学ぶことで「知識」を得ることができ、知識は「意識」を形作る。そして意識は「責任感」を産むということ。それは料理人を成長させる。

食材を無駄にすることは、無知そのものです。世界では年間13億トンの食品が廃棄されていますが、その1/4の廃棄食品で世界中の貧困層を救うことができるのです。


これは料理人に限らず、全ての人に当てはまることではないでしょうか。

個人的には、食材を捨てることが悪い、悪くないと思うのは人それぞれで、ただ目の前の料理がどのような過程で作られているのか、どれくらいの労力や資源が投入されているのか、残した場合どのように処理されるのか、こうした背景についてはみんなが知るべきだと思っています。

それが結果的に、マッシモ・ボットゥーラさんの言葉でいう「意識」や「責任感」に繋がっていくんじゃないかと。

僕自身も食の文化やルーツ、環境や人との関わりについて知らないことが多すぎるので、改めて学ぼうと思いました!