”食品廃棄データの可視化”を追求する米国スタートアップ「Spoiler Alert」

久々の投稿です。

フードロス問題にデータの観点からアプローチすることに関心があり、以前に「ReFED」という米国の非営利組織をご紹介しました。

他にも参考にできる組織はないか調べていたところ、「Spoiler Alert」という米国のスタートアップを見つけました。

「Spoiler Alert」はボストンのスタートアップで、食品業者向けの余剰食品の管理ソフトウェアと余剰食品のオンラインマーケットプレイスという2つの事業を行っています。

特に興味深かったのは、”データの可視化”の力を信じており、インフォグラフィックなどを通して積極的に情報発信をしている点です。

今回は、このSpoiler Alertの事業内容や主な取り組みについてご紹介したいと思います。

Spoiler Alertとは?

Spoiler Alertは、ボストンのテクノロジースタートアップで、2015年6月にMITで設立されました。米国の有名なアクセラレーターであるTechstarsとMassChallengeから生まれたプロジェクトであるため、非常に期待ができる企業です。

http://vms.mit.edu/upload/image_library/acJNulc-Vw.png


ReFEDと同様、フードロス問題に”データ”という観点からアプローチしており、2つの事業の他、データの必要性を訴えかける情報発信を積極的に行っています。

Spoiler Alertの事業内容

Spoiler Alertの取り組みについて、まずは動画をご覧ください。

 

「Better manage unsold inventry ~ Real-time data visibility and decision-making capabilities that drive bottom-line impact ~」

企業のビジョンやコンセプトについて書かれたページが見当たらなかったのですが、上記の言葉がSpoiler Alertの取り組みを端的に表していると思います。余剰食品のデータを可視化し、それに紐付いた意思決定を行うことで、効率的な管理をしようという感じです。

現在、Spoiler Alertは2つの事業に取り組んでいます。

食品事業者向けの余剰食品管理ソフトウェア

1つ目が食品製造業者・卸売業者・小売業者向けの余剰食品管理ソフトウェアです。

余剰食品の種類や量、状態、提供先をはじめ、これらのデータに基づいた財務や環境、社会的な影響度など、あらゆるデータをシステム上で管理します。既存の在庫管理システムとの連携も可能です。



データの集約及び可視化を行うことで、オペレーションの効率化や意思決定の質・スピードの向上に繋がります。

また、余剰食品の種類や状態に合わせて、割引販売・食品寄付・リサイクル先を提供しています。

例えば、パッケージミスの食品は割引販売や食品寄付に回したり、賞味期限が切れた食品は農場の堆肥に活用するなど、複数の選択肢の中から最適な対応をすることが可能です。

この最適な対応を判断する際にも、上記で収集したデータが重要になってきます。割引販売による売上増加や廃棄物の削減による税金控除、廃棄コストの低減など、それぞれの経済的メリットを数値的に判断することができるからです。

食品業者は収益を改善でき、食品廃棄の削減にも繋がるため、経済性と社会性を両立した素晴らしいサービスだと思います。

余剰食品のオンラインマーケットプレイス

2つ目が余剰食品のオンラインマーケットプレイスです。

その名の通り、余剰食品の売買をオンラインでできるサービスになります。こちらはニューイングランドでのみ展開しているそうです。


食品の提供者は農家や小規模な事業者、受給者は非営利団体をターゲットとしています。

提供側は、先ほどと同様に余剰食品の販売による売上増加や税金控除が得られるほか、非営利団体やその他の新しい顧客と繋がることができます。
一方、受給側は、既存の食材提供者との関係性を強化したり、提供元を多様化することができます。

余剰食品の発生が不定期であったり、量が少ない事業者の場合は、こちらのサービスが適しているかなと。

”データの可視化”のポテンシャル

冒頭でも述べたように、Spoiler Alertは”データの可視化”の力を信じています。そのため、実際に事業で取り組むほか、ブログやレポートでもその有効性を発信しています。

例えば、こちらはボストンの一部地域におけるフードロスの発生箇所を可視化したマップです。どこで、どのくらいフードロスが発生しているのかを一目で把握することができます。

農村地域より都市部の方がフードロスの発生量が多いなど、データを可視化することによって、単なる数値データでは認識できなかった特徴を見つけることが可能です。

こちらは、いわゆるインフォグラフィックです。米国の小売及び消費段階でどれほどの食品が廃棄されているかを表しています。

「米国の小売及び消費段階では、野菜の34%が廃棄されている」と文章で説明されるよりも、イメージがしやすく、情報を読み取ろうという姿勢になりませんか?

このように、Spoiler Alertはフードロス問題に対して"データ"を軸に取り組み、その有効性を発信している数少ない組織の1つです。

この他にもブログやレポートで重要な情報を発信しているので、また別の機会にご紹介します。

このブログでも、これまでフードロスに関するデータを色々と扱ってきましたが、Spoiler Alertの表現の仕方を参考にし、少しずつ見せ方を工夫していきたいと思います。
 

引用情報)

まとめ

  • Spoiler Alertは「食品事業者向けの余剰食品管理ソフトウェア」と「余剰食品のオンラインマーケットプレイス」という2つの事業を行っている
  • 食品事業者は、データの集約及び可視化を行うことで、余剰食品の対応の最適化やオペレーションの効率化、意思決定能力の向上に繋げられる
  • Spoiler Alertは”データの可視化”の力を信じている